劇団俳優座養成所の第2期生で、同期には小沢昭一や土屋嘉男がいる。1952年に新東宝の映画『殺人容疑者』で銀幕デビュー。以降も舞台を中心に各社の映画に出演する一方、円谷プロダクションや東映製作の特撮テレビ作品で活躍。『ウルトラマン』のムラマツキャップ(隊長)役や『仮面ライダー』の立花藤兵衛役などが広く知られる。また、『ゴジラシリーズ』や『ガメラ2 レギオン襲来』にも出演し、日本の代表的な特撮シリーズの多くに出演歴を持つ。第一次怪獣ブーム・第二次怪獣ブーム・変身ブームを股に掛け、その人柄は当時の多くの共演者から慕われていた。時代劇や現代劇でも数々の作品に出演しており、悲運な小市民から重厚な黒幕、さらには狂気を感じさせる極悪大盗賊など善役から悪役まで幅広い役柄を演じ、いぶし銀の存在感を見せた。市川崑監督からの信任も厚く、金田一耕助シリーズには全作に顔を出している。地味な役ばかりだが、最終作『病院坂の首縊りの家』では『無法松の一生』を想起させる渋い見せ場が用意され、貢献に報いられた。また、ジョン・ウェインの声の吹き替えや時代劇作品のナレーターなど、声優としての実績も数多い。1996年8月27日に肺癌のため、昭和大学附属藤が丘病院にて死去。65歳没。