日本の漫画家。群馬県出身。作品は、たびたび映像化されている。2002年ちばてつや賞ヤング部門優秀新人賞受賞。2003年、別冊ヤングマガジンにて『スーパーフライ』でデビュー。同年より同誌で『アバンギャルド夢子』の連載を開始。『漂流ネットカフェ』はテレビドラマ化され、『悪の華』はテレビアニメ化された。また2014年には『スイートプールサイド』が映画化されている。2017年6月現在、『別冊少年マガジン』にて『ハピネス』を、『ビッグコミックスペリオール』にて『血の轍』を連載中。中学1年生の時、父親にルドンの絵や萩原朔太郎の詩などを教えられ、『ドグラ・マグラ』や『ガロ』を愛読。大学に入学してから漫画を描き始める。中学2年生の頃より吃音を患っており、吃音を題材とした作品『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』を発表している。押見は同作品の単行本あとがきに、吃音が故に普段より人の表情や仕草から感情を読み取る能力が発達し、これが漫画の登場人物の表情を描く時に生かせているのかも知れないといい、また吃音のせいで言いたいことが言えなかったという心に封じ込められていたことを、漫画という形で爆発させることができた、自身が吃音でなければ漫画家にはなれなかったかも知れない、なる旨を記している。その後、自伝漫画によれば、20歳くらいの頃に講談社週刊ヤングマガジン編集部に持ち込み、2人の編集者に「ひどいが、おもしろい」といった評価を受ける。その作品は同誌の月間賞奨励賞を受賞し、賞金5万円を得た。その後同誌で「ちんこ」を見たがる女子高生の漫画『アバンギャルド夢子』や「サキュバスが風俗経営をして精を搾り取ったあげく世界滅亡」する漫画『デビルエクスタシー』などを連載する。押見はこのような漫画をよく載せてもらえたものだと述懐している。