1949年生まれ、北海道函館市出身。高校時代より小説を書き始め、有島少年文芸賞を2年連続で受賞する。國學院大学卒業後、文芸誌等で小説を発表し続け、77年に『移動動物園』が新潮新人賞候補となる。81年に発表した『きみの鳥はうたえる』で第86回芥川賞候補となる。以降あわせて5回、同賞候補になるがいずれも受賞には至らなかった。89年、『そこのみにて光輝く』で三島賞候補になる。その後『海炭市叙景』を文芸誌『すばる』に断続的に掲載。90年に自ら命を経つ。享年41。死後は全作品が絶版となっていたが、2007年に『佐藤泰志作品集』がクレインより刊行。10年に函館の有志たちの手により『海炭市叙景』(熊切和嘉)の映画化が実現、これにあわせて過去の小説作品が次々に文庫化され再評価の動きが高まっていく。その後『そこのみにて光輝く』(呉美保、13)、『オーバー・フェンス』(山下敦弘、16、原作は『黄金の服』に収録)、『きみの鳥はうたえる』(三宅唱、18)と次々に作品が映画化。ドキュメンタリー映画『書くことの重さ 作家 佐藤泰志』(稲塚秀孝、13)も製作された。